30歳、40歳、50歳・・・と、年齢の節目で転職を考える人も多いですが、
「夢に挑戦する」ことは、転職よりも勇気がいるし、不安もあるし、ハードルが高いと感じるかもしれませんね。
もし、あなたに「声優になりたい!」という夢があるとしたら、新しいことを学ぶのに、年齢制限や期限なんてないと思います。
なぜなら、「人生100年時代」と言われるようになった今、社会人の学び直しは必須になってきているからです。
もちろん、声優になりたい人、全員が声優になれるほど、決して甘い世界ではありません。。
それでももし、社会人からでも「声優になりたい!」という夢をお持ちの方がいたら、一体何をすればいいのでしょうか?一緒に考えながら、ご提案させていただきます。
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目次
声優に年齢制限はある?
社会人で、「声優になりたい」と思っている方は、今から目指すには遅くないかな・・?と、年齢が気になっている方も多いと思います。
ですが、声優という仕事は、年齢制限のない職業です!
そもそも声優になるために、必要な資格はなく、一般企業のような定年退職もありません。可能な限り、何歳からでもスタートできて、何歳まででも声優として活動することができるのです。
ですが、オーディションに合格しなければ仕事がもらえませんし、高いスキルや演技力も必要になってきます。
社会人からでも声優を目指せるように、年齢制限を定めていない専門学校や養成所もありますので、まずは基礎からしっかり学んで、声優になる準備をしましょう!
※年齢制限を設けている専門学校や養成所もありますので注意が必要です。
声優に年齢制限はありませんが、声優の仕事のジャンルには、年齢制限のある場合もあります。
特にアニメ声優は、年齢の若い方が求められる傾向があります。
なぜなら、登場人物の年齢設定をみると若いものが多く、それに合わせて新人や若手声優が起用されることも多いからです。
そして、その活動もアニメの吹き替えだけではなく、アイドル声優としてイベントに出演したり、舞台で歌やダンスを披露したり、メディアへの露出が増えることも考えられますので、より若い人が起用されやすくなっています。
アニメ声優のような仕事ジャンルでは、オーディションの際にも年齢制限がありますので、募集要項をしっかり確認するようにしましょう。
社会人から声優になるには
声優という職業は、声による様々な表現を行うため、特殊な技術が必要です。
基礎の技術面でいうと、「腹式呼吸」、「発声」、「滑舌」などは聞いたことがあるかもしれませんね。これらは練習すれば技術の上達は見込めますので、まずは、声優の専門学校や養成所で学ぶことをオススメします。
年齢制限を定めていないところや、社会人でも通いやすいように、平日の夜間や土日に通えるレッスン、通信講座で学習できるスタイルなど、働きながらでも声優の勉強ができるように、様々なコースが用意されていますので、自分に合うものを探してみてくださいね。
専門学校に通う
学校法人が経営している専門学校は、ほかの学校と同じく全日制で授業を行なっています。授業時間が長いため、基礎の基礎から幅広く学ぶことができます。
中には、学校法人の運営ではない無認可校もあり、社会人向けのコースを用意している学校もあります。その特徴として、全日制以外にも、土日や夜間のレッスンが開設されているため、働きながら通うことができます。
また、特定のプロダクションではなく、様々な声優プロダクションの所属オーディションを受けることが可能です。
養成所に入る
声優プロダクションが運営しているものが多く、基礎というよりは、所属とデビューを目指して、実践的な技術を習得するためのレッスンが多いです。
週1回からレッスン回数を選べるので、働きながらでも通いやすいです。
養成所は、付属のプロダクションへの所属を目指すため、原則として、他の所属オーディションを受けることができません。既に自分の入りたい養成所が決まっている場合は、そちらでレッスンを受けて所属を目指すのがいいでしょう。
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オーディションを受ける
一般募集のオーディションには、事務所に所属していないフリーの人でも受けられるオーディションもありますので、挑戦してみましょう。
社会人の方で、たとえ声優や演技の経験がなくても、あなたに合う役があればいきなり抜擢されることもあるかもしれません!
ところで、企業の就職面接にエントリーする際は、「履歴書」を用意したかと思いますが、声優のオーディションには一体何がいるのでしょうか?
まず、書類審査で提出を求められるのが、「プロフィール」と「ボイスサンプル」です。
「プロフィール」とは、ほぼ履歴書のようなものです。職歴の部分に、出演実績や受賞歴などを記入するようになります。もし、まだ出演実績のない場合は、レッスン経験などがあれば記入してみましょう。
そして、ボイスサンプルとは、一般企業でいうところの名刺代わりのようなもので、声優は各々で、自分のオリジナルのものを所持しています。
- どのような声質をしているのか
- どのようなキャラクターが得意なのか
- どのような演技をするのか
- 聞き取りやすいナレーションができるのか
など、あなたの声の判断資料となるため、大体3〜5パターン程の用意が必要となります。
実は、ボイスサンプルだけで仕事が決まることも多いので、声優にとってはかなり重要なものになります!
そのためには、スタジオできちんと収録したものを準備しておくことも大切ですが、「いきなり収録なんて難しそう・・」という方は、まず自分のスマートフォンなどで、声を録音してみることからはじめてもいいかもしれません。
というのも、最近は、指定されたサンプル文章を、スマートフォンなどで録音して送る、というオーディションも増えてきています。
また、『自分の声を録音して聴く』という作業は、今の自分の実力を知ることもできますし、スキルアップにも繋がります!
ですので、オーディションを受けるためだけではなく、日頃から自分の声を録音する練習は、声優を目指す上でとてもオススメです。
社会人からでも声優になれる理由と強み
社会経験が演技のヒントになる
声優は役者であり、声だけで芝居をしなければいけません。
そんな声優にとって必要なものは、「演技力」、「読解力」、「イメージ力」です。
そして、それに役立つものが、「社会経験」・「人生経験」です。
なぜなら、声優は様々な役を演じるため、今までの経験が、演技の引き出しやヒントになり、深みのある演技に繋がるからです。
置かれた心境や、立場、関係性、状況に合わせて演じるのですが、それに近い体験や経験をしていると、より具体的に演技のイメージができます。
つまり、一旦違う職業に就いていた社会人の方は、10代のうちから声優を目指して専門学校や養成所に入った方よりも、社会経験が豊富なため、その経験が強みになるのです。
年齢の幅が広い
さきほど、アイドル声優は年齢の若い方が有利だとお伝えしましたが、そもそも声優は、子どもからお年寄りまでと、幅広い年齢層を演じます。
時には人間ではない役もあり、動物やキャラクター、空想上の生き物など、演じる役は様々です。
ですので、声優として活躍できる年齢の幅は、とても広いのです。
しかも、役に合わせて年相応の方がキャスティングされる場合もあります。
特に、「映画の吹き替え」は、少し年齢層が高めになります。
理由は、映画の出演者に合わせて、実際に年齢の近い方がキャスティングされることも多いからです。
つまり、社会人からはじめた方でもチャンスがあるかもしれません!
ちなみに、ベテランの声優さんは、性別や年齢ごとにも細かく演じ分けるような、圧倒的なスキルがありますので、実年齢とは関係なく、さらに幅広い役柄で活躍されています。
仮にですが、同じ30代の役柄でも、「32歳」と「38歳」の役があれば、その違いまでも細かく演じ分けるようなスキルを持っていたりするのです。
そのように圧倒的なスキルを持つ声優さんは、いわゆる一般企業でいう定年退職の年齢を越えてからでも、現役声優として活躍されています。
例にあげると、声優の田中真弓さんは67歳ですが、あの有名な人気アニメ『ONE PIECE』の主人公・少年ルフィ役を、20年以上務めています。(2022年時点)
多様な仕事がある
声優の仕事をイメージすると、アニメやゲームのキャラクターに声をあてるものや、映画の吹き替えなどを思い浮かべるかもしれません。
しかし、実際にはもっと様々な種類があります。
たとえば、
- テレビ、ラジオのナレーション
- YouTubeの広告、動画ナレーション
- 企業VP、研修用やプロモーションビデオのナレーション
- 教材用のナレーション
- 地方自治体の紹介ビデオのナレーション
- 駅構内、公共施設などの音声案内
- ボイスコミック、朗読、オーディオドラマ
- スマホアプリやゲーム
- Vチューバー
などがあります。
そして、これらの仕事の中には、若い方よりも、社会経験の豊富な方が重宝されるものもたくさんあるのです!
実際に、「ナレーション現場は30代以上から」といわれるぐらいで、アニメ声優の現場とは、活躍する年齢層が違ってきます。
というのも、ナレーションは、演技力よりも、「読解力」や「安定感」、「説得力」などを求められる傾向があるからです。
もちろん、企業イメージに合わせて、明るい声を求められることもありますが、フレッシュで若さのある声よりも、30代・40代、またはそれ以上の、落ち着いた声質の方が重宝されやすいのです!
さらに、クライアントである企業の方々とのコミュニケーション力が必要になってきます。その際は、10代のうちから養成所に入所している方よりも、社会人としての経験や知識、コミュニケーション力が活かされ、強みになるでしょう。
社会人から声優を目指すリスク
社会人から声優を目指す際に、リスク回避として、ひとつご提案したいことは、
「まずは今の仕事をやめずに、声優になる夢に挑戦しましょう!」ということです。
もしかしたら、「いきなり仕事をやめるのは不安・・・」という気持ちもあるかもしれませんので、そういった選択肢もある、というご提案です。
というのも、声優になるにはかなり狭き門で、もし声優になれたとしても、声の仕事だけで生活できるようになるには、とても難しく、ほとんどの方がアルバイトで生活費を稼いでいるのが現状だからです。。
アルバイトをしながら学校や養成所に通う方もいますが、もしあなたが今社会人で、安定的なお給料があるのでしたら、収入を確保したまま挑戦する方が賢明です。
まずは働きながら専門学校や養成所で学び、オーディションに合格して、プロダクションに所属できてから仕事をやめても、遅くはないでしょう。
しかしながら、今の仕事が多忙で、働きながら両立するのが時間的にも厳しい場合は、仕事も夢も、両方が中途半端になってしまう可能性もありますので、自分の仕事スタイルを見直して、検討してみてもいいかもしれません。
その上で、「今の仕事をやめて、声優を目指す!」という決断をできた方は、きっと、その覚悟や熱意がまわりにも伝わることと思います!
それに、社会人の方でもし仮に、ある程度貯金がある場合は、思い切って仕事をやめて挑戦することも、選択肢として可能になってくるかと思います。
アルバイトに追われながら学ぶ学生に比べて、全ての時間を、声優を目指す時間として有効に使えるのは、社会人として今まで頑張ってきたあなたの特権かもしれませんね。
ところが、もし声優になれたとしても、今の収入より減る可能性がある、ということも覚悟しておいてください。
そもそもプロダクションに所属できたとしても、すぐに仕事があるとは限りません。
そこからは役を勝ち取るためのオーディションの日々がはじまるのです。
いくつか仕事をこなして有名になってくると、指名で仕事をもらえるようにもなってきますが、ほとんどの場合は、配役を決める「キャスティングオーディション」に挑戦することとなります。
その場合、急に入ってくるオーディションや収録日程に合わせて、スケジュールを調整することが、実は大変で、苦労する点です。
アルバイトや仕事の日程と重なってしまった場合は、シフトの交換をお願いしたり、お休みにしてもらったりと、仕事先にも迷惑をかけてしまいます。
それに、もしオーディションに合格しなければ、折角予定を調整した日もお休みになってしまい、収入も入ってきません。。
社会人の時に会社勤めをしていた方は、不定期なスケジュール管理に戸惑うかもしれません。
要するに、声優としての収入はなかなか安定しない、というリスクがあります。
でも、あなたがやりたいことをやらずに、挑戦しないまま諦めてしまうことの方が・・・
将来的にも大きな後悔が残るのではないでしょうか。それこそ、もっと大きなリスクなのかもしれません。
ほんとうに自分のやりたいこと、大切にしていることは何なのか、自分を見つめ直してみましょう。
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社会人から声優になった有名人
ご活躍されている声優さんで、一旦別の仕事に就いてから、声優に転職した方々もいらっしゃいますので、ご紹介させていただきます。
(*記載年齢は2022年1月時点です)
・若本規夫さん(76歳)
前職は、警視庁機動隊。
演技の経験はありませんでしたが、養成所のオーディションに合格しました。
少林寺拳法と機動隊での経験を活かし、殴られる役を演じる際には、顔や腹を殴られる場所によって声を使い分けているそうです。
代表作
- 「人志松本のすべらない話」のナレーション
- 「サザエさん」穴子さん役
- 「ドラゴンボールZ」セル役 など
・中井和哉さん(54歳)
地方公務員として働きながら、土日の休日を利用して養成所に通い、声優を目指しました。無事プロダクションへの所属が決まってから、公務員を退職されたそうです。
代表作
- 「ONE PIECE」ロロノア・ゾロ役
- 「銀魂」土方十四郎役
- 「スッキリ!」「アッコにおまかせ」ナレーション など
・Machicoさん(29歳)
農家である祖父母の、農作業の手伝いを行っていました。その経験を活かし「農業ガール」としてラジオ番組などでも活躍しています。
代表作
- 「ウマ娘 プリティダービー」トウカイテイオー役
- 「アイドルマスター ミリオンライブ!」伊吹翼役
- 「キラキラ☆プリキュアアラモード」岬あやね役 など
・小林裕介さん(36歳)
大手家電メーカーに勤務しながら、声優学校の日曜クラスへ週1回通い、学内オーディションに合格後、通年コースに入るため会社を辞めるという決断に。その後も専門学校に通い続け、事務所に所属しました。
代表作
- 「Re:ゼロから始める異世界生活」ナツキ・スバル役
- 「Dr.STONE」石神千空役
- 「アルスラーン戦記」アルスラーン役 など
社会人から声優を目指す場合に必要なこととは?
今の仕事をやめずに、働きながら声優を目指す場合も、仕事をやめて、声優一本で挑戦する場合も、
どちらにしても、覚悟を持つ必要があります。
そして、自分より若い人が、まわりでどんどん先に活躍したとても、諦めずに努力し続ける強い意思を持って挑みましょう。
「人生100年時代」と言われるようになった今の時代、社会人の学び直しは必須になってきています。
世界的ベストセラー『LIFE SHIFT』 の著者であるリンダ・グラットンによると、従来は、『教育→仕事→引退』という3つのライフステージを基本としてきましたが、「人生100年時代」での新しいライフプランは、自分らしい生き方を見つけていくマルチステージであり、人生において2回、3回とフィールドを変えながら働く時代なのです。
つまり、今から学ぶことは年齢的にも遅くはなく、むしろ今からはじめるべきなのです!!
いくつになっても学び直しができて、新しいことにチャレンジできる社会に突入した時代だからこそ!社会人のあなたが、「声優になる夢」に向かって、学び、新しいフィールドに挑戦できることを応援しています。
【経験者が語る】30代から・40代から声優になるには?おすすめの養成所など
高校生の頃に声優に憧れ、日ナレを卒業後、大手声優事務所の声優として活動中。これまでアニメの声優やナレーションなど様々な仕事を経験。