数年前から、学生の間で将来の夢として人気なのが「声優」という職業です。
アニメが人気の日本では花形の職業ですが、それだけにライバルが多い職業でもあります。
この記事では、「声優になりたい!」と考えている高校生のために
- 高校生が声優になるための主なルート
- 今すぐに始められる、ライバルたちに差をつける5つのトレーニング法
- 高校生が疑問に感じやすい、声優にまつわるQ&A
などについて、解説していきます。
実際に声優として活動していた筆者の経験を元にしているので、声優を目指すあなたの参考になる部分があるかと思います。
特に今すぐに始められるトレーニング法は、筆者が自分で考え実践していたものなので、ここでしか見られない情報です。
ぜひ最後まで読んで、あなたの役に立ててください。
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目次
高校生から声優になるには?3つのルートを紹介
高校生が声優になるためには、どんな方法があるのでしょうか。
ここでは、声優を目指せる主だった3つのルートである
- 声優養成所に所属する
- 声優専門学校に通う
- 一般公募のオーディションに合格する
を紹介します。
声優養成所と専門学校は一見似ていますが、いくつかの違いがあります。
養成所は主に声優プロダクションが運営している付属の育成機関で、レッスンは週に数回、2時間ほどで半年~2年ほど通うことができ、レッスン内容は実践的なものが主です。
直結している声優事務所への所属が可能で、その後のデビューに有利に働くこともあります。
一方、専門学校の授業は週5で2年以上、基礎から応用までをしっかり学べる機関となっています。
専門学校の運営元は声優プロダクションではない場合がほとんどなので、事務所に所属する際に幅広い選択肢から選ぶことが可能です。
基礎からしっかり身につけたい人は声優の専門学校へ、入りたい声優事務所などが決まっていて、早くデビューしたい人は声優養成所を選ぶといいかと思います。
3つのルートにはどれもメリット・デメリットがあるので、あなたの状況に合わせた選択をしましょう。
声優養成所に所属する
まず紹介するのは、高校に通いながら声優養成所に所属し、声優を目指すという方法です。
声優養成所とは、声優になるためのスキルを学べるスクールのことです。
1クラスに10〜30名ほどの生徒が所属し、週に数回、2時間ほど演技指導やアフレコ実習などの講義を受けることができます。
養成所で実力をつけた所属生は、芸能事務所への所属ができるオーディションに挑戦することが可能です。
そうして事務所に所属し仕事を行うことで、晴れて声優デビューとなります。
養成所でのレッスンは短時間な事が多いので、自主練や「自分で成長する」という姿勢がより重要になってきます。
入所には養成所が設ける試験・オーディションに合格することが条件である場合が多いです。
どの声優養成所がいいかわからない!という方に、おすすめの養成所を2つ紹介しておきます。
【経験者が解説】声優の養成所では何をするの?5つのレッスン内容を紹介
【経験者が語る】未経験・初心者が声優養成所に入るには?おすすめの養成所
日本ナレーション演技研究所
1つ目は日本ナレーション演技研究所、通称「日ナレ」です。
日ナレは言わずと知れた、日本で一番有名な声優養成所です。
声優養成所への入所を検討している人で、ここが候補に入らない人はいないと思います。
植田佳奈さん、梶裕貴さん、内田真礼さんなど数多くの有名声優出身者がいて、提携しているグループプロダクションも超強力です。
週1回から週3回まで複数のコースがあり、とても通いやすいです。
基礎から学べる養成所で、初心者や未経験者の方が大半のため非常におすすめです。
日ナレの評判や口コミは?卒業生や学費、レッスンについても徹底解説
インターナショナル・メディア学院
2つ目はインターナショナル・メディア学院です。
インターナショナル・メディア学院は「名探偵コナン」の服部平次役や、ドラゴンボールのベジータの声優として有名な堀川りょう氏が学院長を務める声優養成所です。
こちらもとても有名な声優養成所で、必ずテレビアニメに出演できる唯一の声優養成所としても有名です。
堀川りょうさんや「名探偵コナン」の遠山和葉、「エヴァンゲリオン」のアスカ役としても有名な宮村優子さんが、直接指導してくれます。
またプロダクション直属なので、最短で声優デビューを目指す人にも最適です。
全国に19の校舎を持ち、オンライン授業も可能です。
また、毎月入所可能なので入りたいと思ったタイミングで入所できます。
日ナレに次いでこちらも有名な声優養成所なので、必ず選択肢の一つには入るかなと思います。
インターナショナルメディア学院の評判や口コミ、学費について解説!
ポイント
- 学生や社会人でも通えるように、夜間や休日のみ講義がある養成所も多数
- スクールによっては、月ごとに入所オーディションを開催しており参加しやすい
- 入所のための条件は養成所によって異なり、高校生不可な場合も
声優養成コースがある専門学校に通う
2つ目の方法は、高校卒業後に声優養成コースがある専門学校に通うというものです。
演技指導はもちろん、授業数の多さを活かしボーカルやダンスといった声優が求められるスキルの授業を行っている学校も多数あります。
目標は、専門学校卒業後に声優事務所に所属しデビューすることで、学校によっては芸能事務所関係者を招いた校内オーディションを行っていることも。
入学には一般入試や推薦入試、AO入試などの方法があります。
こちらもどの声優専門学校がいいかわからない!という方に、おすすめの専門学校を3つ紹介しておきます。
総合学園ヒューマンアカデミー
ヒューマンアカデミーという名前は誰もが一度は聞いたことがあるんじゃないかなってくらい有名だと思います。
ヒューマンアカデミーの特徴は、業界との太いパイプによる年間350回以上開催されるオーディションです。
在学生全員が参加でき、青二プロダクション、アクロスエンタテインメント、アトミックモンキーなど90社以上のプロダクションオーディションに参加できます。
このような圧倒的なチャンスの多さにより、在学中のデビュー件数は400件以上に上ります。
これは歴史ある大手の成せる技かなと思います。
コースなども豊富なので、声優としてのスキルを磨きたい人は検討すべきです。
ヒューマンアカデミー声優学科の評判はやばい?学費や口コミを徹底調査
代々木アニメーション学院
1978年設立のアニメ・声優学校として歴史があり、実績の豊富さで頭一つ抜けているのが、代々木アニメーション学院です。
今の日本のアニメーション界で活躍している多くの声優がここを巣立っています。
水樹奈々さん、櫻井孝宏さん、中村悠一さん、鈴村健一さん、田村ゆかりさんなどどのアニメでも目にするような超有名な声優さんばかりです。
さらに、ポケモンでおなじみの松本梨香さんがカリキュラムの監修・講師を務めていて、現場で必要とされる声優が育つようなクオリティの高い授業が受けられます。
実績としても年間の出演実績は160キャストほどと、圧倒的な実績です。
オーディションを受けるのに必要なプロフィール作りや、50社ほどが参加するプロダクションの説明会など手厚いサポートがあるのも魅力です。
アミューズメントメディア学院
3つ目はアミューズメントメディア学院です。
アミューズメントメディア学院では、入学者の9割以上が未経験という中、プロの指導により基礎からしっかりと学ぶことができます。
全日制(2年間)と夜間コース(6ヶ月)とあり、自分のスタイルや目標に合わせたコース選びができます。
そしてアミューズメントメディア学院の特徴として、2021年の実績で2年コースを修了した人の66%がプロダクションへの直接合格しています。
66%って多いの?と思う方もいるかもしれませんが、声優のプロダクションというのはとても狭き門で、プロダクションに合格するということはすぐにプロの声優として仕事ができるということです。
そのプロダクションに2年コースを修了して半分以上もの人が直接合格できるということは、かなり凄いことです。
所属オーディションに参加するプロダクションの数も70社を超え、エントリー制限もありません。
また在学中からインターンシップ制度により、実際の現場でプロの声優と一緒に仕事を経験することができます。
プロダクションに所属する前から、声優としての実績を積めるというのはオーディションの際の履歴書にも書けますしかなりのメリットになります。
アミューズメントメディア総合学院の評判はやばい?口コミや学費など
ポイント
- 校内オーディションで多くの芸能事務所関係者と出会えるチャンスあり
- 未経験者が多い傾向があり、基礎からしっかり学べる
- 高校に在学中から通うことはできない
一般公募のオーディションに合格する
3つ目の方法は、一般公募されている声優オーディションに応募するというものです。
オーディション雑誌やインターネットなどには、声優ではない一般人でも応募可能なオーディション情報が多く掲載されており、合格することで作品への出演が決定、デビューとなります。
演技などのスキルだけではなく、光る個性を見込まれて合格することもあり、特別な資格がなくても応募出来る利点があります。
ただし、全国のライバルが応募してくるため、競争率は非常に高いです。
たとえオーディションに合格できなくても諦めない強い精神力も重要になってきます。
ポイント
- 応募には費用がかからないオーディションも多い
- スキルがなくても、光るものがあればデビューの可能性アリ
- 未成年者の応募には保護者の同意が必要
- 全国から応募が集まるので競争率がかなり高い
声優になりたい高校生がやるべき5つのレッスン
高校在学中は、年齢的にも専門学校や養成所に通うことが難しい場合も多いでしょう。
ですが、声優スクールに通えないからといって、できることが何も無いわけではありません。
発声や滑舌などの技術的な部分は独学が難しく、スクールで講師から習うべきスキルですが、この記事では一人でもできる演技の表現の幅を広げるための5つの方法を紹介します。
高校生のうちから実践しておくことで、周りのライバルに差をつけられるものなので、ぜひどれか一つでも取り組んでみてください。
なりたい声優像を考える
どんな夢も、叶えるには計画を立て実行することが大切です。
まずは、自分が将来どんな声優になりたいのか考えノートに書き出してみましょう。
目標を明確にすることで、どうすれば自分の夢を叶えられるのかも分かりやすくなります。
また、挫けそうになったときもノートを見返し初心を思い出すことで、モチベーションを保つ効果も。
初めは具体的な声優像が浮かばないかもしれませんが、そんなときは好きな声優さんや作品に出演することを目標として記しても構いません。
なりたい声優像は、あなたの成長とともに少しづつ形を変えることもあります。
半年に1度ほどノートを見返して、目標の声優像を更新していきましょう。
様々な作品に触れ、発見をノートにまとめる
日頃から演劇やアニメなど様々な作品に触れ、思ったことや分かったことをノートにまとめるようにしましょう。
色々な作品を楽しむことは、「このセリフはこんな風に話すこともできるんだ!」といった発見にもつながる良い体験です。
ですが、そこで終わらせず作品について思ったことをまとめて書き出すことで、後で見返すことができるようになります。
演技の練習をした際にそのノートを読み返すと、関係ないと思っていた作品の芝居が思わぬヒントになることがあり、後々役立ってくれるはずです。
勉強
声優にとって、勉強はとても重要です。
なぜなら、理想の声優とは「何でもできる人」だからです。
声優が様々な役を演じる職業だということは、あなたもご存知でしょう。
ある時は老いた数学者の役、またある時はフランス革命に身を投じる若者など自分では経験したことの無いような状況を違和感なく演じる必要があります。
そんな時、学校で数学や歴史をしっかり学んでいれば、自分が演じる役がとても身近に感じられるようになるのです。
知識が多いほど様々な役に対応できるようになり、何でもできる人に近づきます。
国語だけでなく、どんな教科のこともしっかり学び多くの知識を身に着けましょう。
体力作り
声優になるには体力作りが欠かせません。
声優は一人一人が代わりのいない存在なので、収録の際に病気で休むようなことがあると多くの人を困らせることになってしまいます。
病に簡単に負けないような体作りのためにも、日頃から運動をするように心がけましょう。
ランニングや水泳、筋トレなどで全身をバランスよく鍛えることがオススメです。
好きなことに全力で取り組む
学生のうちに物事に全力で取り組んだ経験は、声優になってからもとても大切な財産になります。
部活や友達付き合い、アルバイトなど好きなことに全力で取り組むと、「好き」がいつの間にか「特技」に変わっていることがあります。
声優はできることが多い人ほど有利な職業です。
あなたの「好き」を磨き続けて自分だけの武器にしてみてください。
高校生・学生のときにデビューした声優
実際に高校生の頃にデビューをした声優は、どんな人がいるのでしょうか?代表的な声優を数名ご紹介します。
劇団ひまわり所属の内山昂輝さん、アトミックモンキー所属の小倉唯さん、アイムエンタープライズ所属の早見沙織さんは、子役などで幼い頃から芸能界で活動してきた方々です。
その後、学生の間に声優業に挑戦し声優デビューを果たしています。
スターダストプロモーション所属の三澤紗千香さんは、「KADOKAWA×UP-FRONT STYLE アイドル☆声優オーディション 2008」でグランプリを受賞し、高校生ながら声優デビューを果たしました。
応募者はおよそ1500人で、高い倍率の中でのグランプリ受賞となります。
ミュージックレイン所属の夏川椎菜さんも2011年のミュージックレインスーパー声優オーディションに合格し、翌年高校生でのデビューとなりました。
こうしてデータを集めると、高校生で声優デビューをしている方の多くは子役などの芸能界経験者が多いということが分かります。
高校生までに演技の経験がない人は、一般公募のオーディションを受けつつ、養成所や専門学校でスキルの習得を目指すのがオススメです。
声優になりたい!高校生のよくあるQ&A
ここでは、声優を目指す高校生が疑問に感じやすい3つの内容をまとめてみました。
実際に声優として活動していた筆者の経験から、疑問にお答えしていきます。
Q1.「普通の声だけど声優なんてなれる?」
A.どんな声でも声優になれる可能性はあります。
そもそも、声は一人一人違うものなので「普通」というものは存在しないとも言えるでしょう。
声優にとって声質はとても大切な要素ですが、どんな声も発声や滑舌を極めれば光るようになります。
声質だけで声優を目指すことを諦めるのは、まだ早いかもしれませんよ。
Q2.「声優を目指すのに高校生は遅いってホント?」
A.声優に限らず、日本の芸能業界は早く活動すればするほど有利だと言えます。
ですが、高校生が声優を目指すのが遅いかと言うと、決してそんな事はありません。
なぜなら声優養成所の多くは10代後半からでないと入所が出来ないからです。
10代後半なら男女ともに声変わりも終わって、安定した時期に練習が開始できるとも解釈できます。
Q3.「地方で声優を目指すのが難しいってホント?」
A.レッスンは地方でも受けることが出来ます。
ですが、声優としての業務のほとんどは東京に集まっているというのが業界の現状です。
筆者には、専門学校卒業後、地元で芸能活動を行うために帰郷したものの、地方ではほとんど仕事がなかったため再び上京してきた友人がいます。
声優事務所への所属やデビューを目指すならば、いずれは上京することをオススメします。
声優になるために、高校生のうちから準備をしよう
記事内で紹介した内容を簡単にまとめてみましょう。
- 高校生が声優になりたい場合、養成所・専門学校・一般オーディションが主な手段に
- 養成所と専門学校は、それぞれにメリットとデメリットがある
- レッスン以外に、日常生活で声優のスキルを上げる方法はたくさんある
高校生のうちから声優デビューできるのは、極めて稀な例です。
一般公募のオーディションに何度応募しても不合格になることも珍しくありません。
ですが結局、声優として活躍する人は最後まで諦めなかった人です。
どんなに才能があっても心が折れてしまい去っていく人も多いこの業界で、夢を叶えたいならば地道な努力を続けるほかありません。
記事内で紹介した練習内容を、まずは一つ、粘り強く続けてみてください。
そして声優スクールで技術も学び、ぜひ「声優になる」という夢を叶えてください。
声優養成所って厳しいの?経験者が体験談をもとに内情を徹底解説!
高校生の頃に声優に憧れ、日ナレを卒業後、大手声優事務所の声優として活動中。これまでアニメの声優やナレーションなど様々な仕事を経験。