「声優になりたい!」
「声優の養成所に興味があるけど、どんなことを勉強するんだろう?」
スマートフォンアプリゲームや動画配信サービスなどの普及で、ますます人気の職業として注目されている声優。
声優事務所への所属を目指し、まずは声優事務所が経営を行う養成所への入所を考える人も多いでしょう。
この記事では、そんな人のために
- 養成所でのレッスン内容と、取り組む理由
- 養成所に入所できる年齢や、入所オーディションの内容
- 養成所と専門学校はどんな違いがあるのか
などについて、声優の専門学校と養成所、どちらにも通った経験のある筆者が詳しくお伝えします。
筆者の経験談も踏まえてお話ししているので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
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目次
声優養成所では何をする?レッスンの内容を解説
養成所ごとにカリキュラムは異なりますが、どの養成所でもほぼレッスン内容に入るものは、以下の5つです。
ポイント
- 基礎練習
- 演技
- アフレコ実習
- ナレーション
- ボーカル・ダンス・殺陣(アクション)
一見、声優には縁遠そうな技術のレッスンもありますが、それは誤解です。
現代の声優はアニメに留まらず、ライブやトーク番組、舞台に出演したりと活躍の場が広がっています。
これから世に出る声優たちには、マルチな活躍ができる能力が求められているため、ダンスや殺陣も学ぶ必要があるのです。
それでは、レッスンについて1つずつ解説していきましょう。
【声優養成所レッスン】1.基礎練習
声優という技術職には、発声などの基礎力が必要不可欠です。
そのため、養成所に入所してすぐは腹式呼吸・発声練習・滑舌練習といった基礎練習について教わります。
腹式呼吸や発声練習は、独学ではコツを掴むのが難しい場合も。授業の中では、講師から腹式呼吸の感覚の掴み方や効果、リラックスしながら発声できる方法などを学べます。
滑舌練習では早口言葉や外郎売(ういろううり)を読み上げる練習が行われることが多いです。外郎売とは歌舞伎の演目の一つで、滑舌と同時に演技の表現力も学べるトレーニングとして親しまれています。
【声優養成所レッスン】2.基礎演技
養成所に入所してすぐにアフレコ実習を…というのは稀で、演技に関しても基礎力をつけるためのレッスンを行うのが一般的です。
声だけでの演技は難しいと言われています。
まずは体を使った演技がしっかりできるようになるため、エチュード(決まったセリフのない即興劇)や台本の一部分を抜粋して演技の練習を行います。
こういった基礎演技の授業を通して、役作りや台本に書かれていない余白部分の想像、全身で表現をするといった基本的な事柄を学んでいくのです。
【声優養成所レッスン】3.アフレコ実習
演技の基礎が身についてきた頃に、現場での収録を想定したアフレコ実習が行われます。
スタジオを所持している養成所では、実際にアニメなどの映像を流し音声を収録しながら授業が進みます。
この授業ではマイク前での演技やマイクワークの考え方、収録中に気をつける点などの実践的な内容を学ぶことが可能です。
アニメに限らず、海外映画の吹き替えやゲーム音声などの収録をイメージした授業を行うこともあります。
【声優養成所レッスン】4.ナレーション
ナレーションの授業では、演技の授業以上に「聞き取りやすさ」を重視した指導を受けることになります。
情報を正しく伝えるため、アクセント(イントネーション)や鼻濁音・無声音といった日本語のルールを学ぶことも重要です。
ナレーションの報酬はアニメのアフレコより高額な報酬であることが多いため、声優として活動していくためにはナレーション技術は欠かせないものとなっています。
【声優養成所レッスン】5.ボーカル・ダンス・殺陣(アクション)
ボーカル・ダンス・殺陣といったレッスンは、特別授業として数ヶ月に1度といった頻度で授業を行う養成所が多いです。
そのため、リズム感やステップなどの基礎的な内容がレッスンの中心になります。
どのような種類のボーカル・ダンス・殺陣を学べるかは養成所によって異なります。
こういった身体表現を学ぶことは、声優の演技の幅を広げる上でもとても役に立つことです。
少ないレッスンの中でも、学びを忘れないように自主練に励む養成所生は多いですよ。
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声優養成所は何歳から?入所オーディションでは何をするの?
声優養成所に入所できる年齢は各養成所によって様々ですが、多くは16歳以上からの募集としています。
中には高校卒業資格や18歳以上という条件の養成所もあるので、入所したい養成所のHPで募集要項をしっかりチェックするようにしましょう。
また、入所オーディションでは書類審査の後に実技審査が行われることが多いです。
実技審査では面接やセリフ、朗読やナレーションが一般的となっています。
筆者が入所オーディションを受けた際は、事前に配布された課題のセリフから自分が上手く表現できると思うものを演じる形式で、3人の入所希望者が同時に審査されました。
中には、オーディションの成績によって飛び級制度を用意している養成所もあります。
こちらも募集要項をよく確認してみましょう。
声優養成所と専門学校 最大の違いは〇〇!
声優になりたい人の中には、養成所と専門学校のどちらで学ぶべきか悩んでいる人もいるでしょう。実はこの2つは似て非なるもので、一つ大きな差が存在します。
それは学歴になるかどうかというものです。
専門学校というのは、国の認可を受けた「学校法人」です。入学すれば学歴として履歴書に記すことができます。学校なので奨学金や学割、通学定期券などを利用することも可能です。
ただし、授業数が多く授業料が高額になりやすいというデメリットもあります。
自分にはどちらが向いているのか、違いをよく比べて検討してみましょう。
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声優養成所で何をするのか分かったら、日々の練習に取り入れよう
声優の養成所では、基礎練習と並行して基礎演技を学び、体全体での芝居ができるようになってから実践的な内容の授業が始まることが多いです。
これは、声優にとって基礎は疎かにしてはいけないものであるということの証拠でもあります。
養成所では声優に必要な技術を体系的に学べますが、レッスンに通うだけでは一流の声優になることはできません。自主練習を欠かさず、常に現場で求められる声優を目指しましょう。
高校生の頃に声優に憧れ、日ナレを卒業後、大手声優事務所の声優として活動中。これまでアニメの声優やナレーションなど様々な仕事を経験。